「夜の大捜査線」鑑賞

 

夜の大捜査線 [DVD]

夜の大捜査線 [DVD]

  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: DVD
 
夜の大捜査線 [DVD]

夜の大捜査線 [DVD]

  • 発売日: 2003/03/07
  • メディア: DVD
 
夜の大捜査線 [Blu-ray]

夜の大捜査線 [Blu-ray]

  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: Blu-ray
 
夜の大捜査線 [DVD]

夜の大捜査線 [DVD]

  • 発売日: 2011/06/22
  • メディア: DVD
 

 

夜の大捜査線」鑑賞。

 

1967年の作品にして黒人のが白人より知性派エリートで高身長スタイル抜群ハンサムなシドニー・ポワチエが主人公。

 

もう一人の主人公はそんなシドニー・ポワチエを引き立てるような、腹が突き出たずんぐり体型のロッド・スタイガー


ワーテルロー」のナポレオンみたいに部下に指示や叱責をまくしたてる場面はさすが、この作品でアカデミー最優秀主演男優賞。

 

黒人差別が激しいアメリカ南部のミシシッピ州で殺人事件が起こり、エリート刑事のシドニー・ポワチエがたまたま居合わせ、捜査に協力する話。

 

登場から明らかに知性派で好印象のシドニー・ポワチエに対して偏見丸出しの白人であるしか取り柄がないよな巡査がまず黒人というだけで冤罪で署にしょっぴく場面から始まる。

取り調べ中、署長のロッド・スタイガーシドニー・ポワチエが実はエリート刑事だと分かり、冤罪でしょっぴいた巡査にマヌケっぷりをどなり散らす


おお、ワーテルローのナポレオンだあ(笑)


夜の大捜査線のが三年前の映画だが、ロッド・スタイガーミシシッピ州の白人であるしか取り柄がない鬱屈した南部の田舎のダメ白人らが沢山出るが、それらを代表するかのようなスタイルの(味のある意味の)悪さに口の粗野な悪さ。
しかし、だんだんシドニー・ポワチエの優秀さに尊敬を抱き始める。
に、対してシドニー・ポワチエがスタイル良く洗練され決めまくる。
途中、黒人もエリートで優秀なら結局は白人と同じことするんだな、と逆にロッド・スタイガーにたしなめられる場面がある程。


カッコ良く決めるのが黒人の方という映画


シドニー・ポワチエと言えば「招かれざる客」が有名だが、是非、鑑賞したいと思いました。

味のあるナポレオン役を演じたロッド・スタイガー観たさに鑑賞したが、元祖イケてる黒人俳優シドニー・ポワチエはやはりカッコ良いし、ロッド・スタイガーの最優秀主演男優賞はそれだけの味わいあったし、なかなか楽しめる作品だった。


黒人が白人の労働の商品=奴隷から成り上がって、今や白人よりエリートだったり富裕層だったりしたら、エリート黒人より劣る暮らしの、または白人という優越感を刺激されるだけで、情けなくなるやるせなさで、黒人を迫害して解消するしかない、という場面が多々出てくる。

犯人に疑われた白人の綿花農園のオーナーがシドニー・ポワチエのキレキレの尋問についビンタして、シドニー・ポワチエがやり返ししてしまい

 

黒人のくせに、よくも白人の私をビンタしたな。射殺するところだぞ

 

と、自分から手を出してこの台詞

しかし、刑事は場の悪さで退場しただけで、白人の綿花農園のオーナーは黒人にビンタされた復讐はその場では出来ず、思わず泣き出す場面があった。


白人は黒人より貴族的であらねばならない。逆転した時、白人として情けなさ、やるせなさがこみ上げる。そして泣き出す、それが白人の生理なんだな。という感じがした。


話は後、綿花農園のオーナーが復讐の為、町の白人チンピラを使ってシドニー・ポワチエをリンチしようとする。
しかし、タイミング良くロッド・スタイガーが助けに入るという白人と黒人の協力の場面につながる。

 


話は飛ぶが太平洋戦争の時の日本は一時期、その逆転現象をやってしまったな。
そして山下奉文本間雅晴の処刑、特に山下奉文はいただけないやり方だった。
そして、つい最近、白人刑事からの冤罪?黒人容疑者殺人事件のニュースがあったり。
下層階級の白人の情けなさ、やるせなさを解消するのが、今のアメリカ大統領の誕生演説だったりなあ。変わらないなと思った。


今年の映画「黒い司法 0%からの奇跡」というのもイケてる黒人マイケル・B・ジョーダンが正義感溢れる敏腕弁護士を演じて、「夜の大捜査線」と同じような内容だったな。
やはり、この黒人弁護士も白人から様々な嫌がらせを受け黒人被告人の冤罪を覆せず悩み、しかし、差別の薄い州に法廷を移すことに成功し、そして冤罪の黒人被告人を無罪、逆転判決に成功するという黒人が救われる話だったな。