ミッドウェー海戦の山場
ミッドウェー海戦は太平洋戦争の
転機
とされる海戦だが、ナゼに、日本海軍は主力空母、四隻を太平洋のど真ん中に侵攻させていたのか?
真珠湾奇襲攻撃が占領もせず、旧式戦艦しか破壊しない中途半端で、やり残した事をしようとしたからだ。
ドイツがダンケルク撤退を許してしまって、後、イギリスが優秀な人員消耗を免れ、いちいち邪魔立てし、海中に隠れるUボート以外、身動きとれない状態になったのと一緒だな。
密接した欧州同士なら、分かるが日本の場合、自国から、わざわざ太平洋に出なきゃ大丈夫なんだけど。
しかし、ミッドウェー海戦の日本は、わざわざ誘導の罠に引っ掛かってくれる
格好のカモ
になった(泣)。
まず、1942年4月18日、空母エンタープライズ、空母ホーネットからドーリットル空襲をし、アメリカは空母で日本本土へ空襲出来るんだぞ!
と、威嚇、挑発した。
日本は、1942年4月5日~9日はセイロン沖海戦でイギリスに勝ち、イギリスの東洋艦隊をインド洋から撃退し、このまま行けばスエズ運河を抑えられた。
しかし、アメリカのドーリットル空襲に、まんまと挑発され、山本五十六の連合艦隊は、なんと、絶好調のインド洋を捨てて太平洋に向かってしまった。
イギリスはダンケルク撤退作戦の時にナチスが手を緩めた成功と、この時、日本海軍がインド洋から撤退した、二回、ツキがあったんだな。
最初、アメリカは日本は太平洋ならオーストラリアとの遮断でフィジー諸島に攻めてくると読んだ。
しかし、電波盗聴から暗号解読し
FA?
FAとは何処だ?ミッドウェー島かな?
ミッドウェー基地から
「真水が不足している。」
と、試しに偽電報を送信したら
日本がそれを受信し
「これから攻めるFAは真水不足してますよ~。」
と、日本本国に打電した。
アメリカがそれを受信。
日本はまんまと罠に引っ掛かった。
間違いない、FAとはミッドウェー島だ
この話は戦史マニアには有名だが、ニミッツ提督の情報参謀エドウィン・レイトンの自伝がソースらしく、信憑性は?らしい。
だが、まあ、どのみち日本国内でも庶民レベルで
「次はミッドウェー島に攻めるんですってね。」
と、風の噂があったらしく、もっと悪い(笑)。
真珠湾奇襲攻撃から連勝連勝で、調子に乗って、口も軽くなっていた、完全に気が緩んでいた。
アメリカは暗号解読から日本艦隊がミッドウェー島に侵攻してくると待ち伏せに入る。
1942年5月下旬
第17任務部隊の空母ヨークタウンCV-5のフランク・ジャック・フレッチャー少将
と
第16任務部隊の空母エンタープライズCV-6と空母ホーネットCV-8のレイモンド・スプルーアンス少将の空母三隻でハワイ基地から出撃し、待ち伏せ態勢に入った。
空母ヨークタウンは約1ヶ月前の5月8日の珊瑚海海戦の時に、日本が大破したと勘違いした空母だ。
珊瑚海海戦は日本はセイロン沖海戦で疲れた主力、南雲機動部隊に代わり、第五戦隊とサブパイロットだった為、引き分けとなった。
もし、南雲機動部隊だったら、江草隆繁など名パイロットの腕で空母ヨークタウンは撃沈出来たろう。
セイロン沖海戦で江草隆繁はイギリスの空母ハーミーズ、重巡洋艦ドーセットシャー、重巡洋艦コーンウォールを撃沈している、日本人がイギリス人より男前になった瞬間だったな(泣)。
で、一流気取りで、珊瑚海はサブにやらせとくわ。←ここにも日本の余裕綽々な気の緩みがアダとなった。
で、サブにやらせたら空母ヨークタウンは大破ではなく中破程度で、アメリカの神速技、ハワイで突貫工事、3日で修理し生き返った。
前の前を言えば、真珠湾奇襲攻撃の時にドッグも破壊しとけば、ヨークタウンの突貫工事は防げた。
ミッドウェー作戦のため、空母飛龍に所属の第一航空艦隊の友永丈市飛行隊長はミッドウェー島を空襲する第一次攻撃の時に、ミッドウェー基地にいっさい航空機がない事に不信を持った。
すなわち
ミッドウェー島は囮だった。
急ぎ友永は、南雲機動部隊に
「カワ・カワ・カワ(第二次攻撃の要あり)」
と打電。
この報告を受けて、南雲忠一はミッドウェー島に第二次攻撃すべく航空機の武装を
対艦用(魚雷)から対地用(爆弾)
に兵装転換する命令を発した。
しかし、これが日本の敗因の一つになったのだ。
有名な南雲忠一の二度の兵装転換。
魚雷→爆弾
爆弾→魚雷
フレッチャー少将の方は、日本の爆撃機がミッドウェー基地を攻撃し終わるまで、日本の空母部隊への攻撃を待ち
クラレンス・マクラスキー中佐率いる空母エンタープライズからの第6急降下爆撃中隊、第6偵察中隊
と
マックス・レスリー中佐率いる空母ヨークタウンからの第3急降下爆撃中隊のドーントレス30数機を日本の艦隊に殺到させ
まず、空母加賀
次に、空母蒼龍
そして、南雲忠一旗艦の空母赤城
急降下
急降下
急降下
急降下
急降下
急降下
急降下
急降下
爆弾投下し
三隻一気に大破した。
時間で5分位
カップ麺が出来上がる位の時間での出来事だった(泣)。
爆弾→魚雷してる最中だから、飛行甲板に爆弾が、ガソリンが置きっぱなしで、爆発しまくり、そりゃもう凄い破壊力となった。
しかも、後、五分あれば兵装転換が完了し日本の空母から航空機が発進したのに、という、たられば
運命の五分間
という伝説がある。
フレッチャー少将がミッドウェー基地攻撃終了まで待ったのは、日本側が、このように混乱するだろう、という作戦からだった。
またも、まんまと敵の術中にハマってしまった(泣)。
9月11日に公開のローランド・エメリッヒ監督の映画「ミッドウェイ」は、そこら辺を見事なCGで(笑)描いてますね。
山本五十六が豊川悦司ではフェロモンが有り余る(笑)
名将、山口多聞なのに浅野忠信ではアパレル会社の社長クサイな(笑)。
しかし、山口多聞は急な事態に兵装転換やってる場合じゃないと、賢明な判断下します。←フレッチャーの罠に引っ掛からない端正さをイケメン俳優で表現してくれましたね。
山口多聞の旗艦、飛龍は兵装転換せず、しかも、他三隻より少し離れていた。だから、最後、一隻残った。
万が一、敵の襲来を考え、離れておく必然性をちゃんと実行した、名将、山口多聞です。
二度の兵装転換を指示する、マヌケ、これはイメージにぴったりだ(笑)。
レイモンド・スプルーアンス少将、ジェイク・ウェバー
ジミー・ドーリットル中佐、アーロン・エッカート
主人公はドーントレス急降下爆撃機で空母赤城に爆弾投下するディック・ベスト大尉(エド・スクライン)
だそうだ。
この映画はフレッチャー提督も友永丈市飛行隊長も出ないのだが、ミッドウェー海戦の最大の山場は、フレッチャーの罠にはまらなかった名将、山口多聞の空母飛龍が、残り一隻となり、珊瑚海海戦で大破したと信じていた空母ヨークタウンに旗艦する罠を仕掛けたフレッチャー提督と最後、奮戦するところだ。
であり、パイロット同士なら
友永丈市vsジョン・サッチ(サッチウィーブ)
空母飛龍から友永丈市が「友永雷撃隊」長となり、ジョン・サッチのサッチウィーブを交わしながら空母ヨークタウンに特攻がクライマックスだと思うが、アメリカ映画だからか省略して、代わりに駆逐艦 巻雲が拿捕したアメリカ人を大敗の腹いせに、錨着けて海に投げ落とす場面がある。
中国資本の映画だそうです(笑)。
しかし、空母ヨークタウンは日本の潜水艦、伊-168の魚雷で撃沈される。
合理的なアメリカ人のフレッチャー少将は日本人的美徳の山口多聞のように艦と運命を共にせず、マヌケな日本人南雲忠一のように、逃げて生きます(笑)。
山口多聞と友永丈市の最後の意地が伊-168によって晴らされるあたりを日本側は最大のクライマックスだと思っております、ハイ(笑)。