珊瑚海海戦~Battle of the Coral Sea~

珊瑚海、Coral Sea(コーラル シー)

名前からも珊瑚礁が透き通る綺麗な海なんだろなあ。

パプアニューギニア東方のソロモン諸島周辺の熱帯性気候の海域で珊瑚海には500種類以上のサンゴが生息している。

パプアニューギニアビスマルク海、ビスマルク山脈とプロイセンの宰相オットー・フォン・ビスマルクから名前をとった元々はドイツ帝国太平洋保護領と呼ばれたドイツ帝国の植民地だった。
ドイツ帝国第一次世界大戦で負けてパプアニューギニアを含む周辺のドイツ領の赤道以南はオーストラリアの委任統治領になり、赤道以北の南洋諸島サイパン島テニアン島マーシャル諸島などは日本の委任統治領になった。


第一次世界大戦は日本は戦勝国だった。


しかも、第一次世界大戦は欧州大戦と呼ばれたヨーロッパ大陸の戦争だからヨーロッパが疲弊し、日本は欧州に少し援軍送った程度で戦勝国になった。
更に疲弊した欧州の代わりに日本の軍需産業に需要が行き、日本に成金が沢山、誕生した。
日本にとっては大変、美味しい思いの第一次世界大戦だった。


第二次世界大戦の敗戦国の日本とドイツの違いはドイツは第一次世界大戦の敗北によるベルサイユ条約の過酷さによる過激なナショナリズム=ナチズムの誕生だが、日本の場合、楽して勝ったことが神がかり的にカミカゼが吹く神国というオカルト的な過信のような気がする。


第二次世界大戦、日本の最初の真珠湾奇襲攻撃は
「奇襲」ですから、そりゃ勝ちますわ。
宣戦布告受けて無いアメリカは事前準備無し、フツーに日常的な体勢ですから。
なのに日本は、第一次世界大戦の思い上がりが継続していたのか、単純に勝ったと浮かれたみたいですな。


珊瑚海で1942年5月8日の早朝、世界最初の空母同士の戦いが行われた。
航空機同士の、互いの艦船が見えない戦いだった。


日本はアメリカの正規空母レキシントンを撃沈、ヨークタウンを中破。
いや、大本営はヨークタウンも撃沈と、嘘の発表をし、後のミッドウェー海戦で大変な痛い目に合う。
まだ、序盤の絶好調の時期に既に嘘の過大報告。
この悪癖もカミカゼが吹く神国という神がかり的なオカルトなんでしょうか…。


アメリカは日本の軽空母祥鳳を撃沈した。
日本にとって最初の喪失空母だった。


戦い自体は一応、引き分けと言われている。
アメリカは正規空母喪失、日本は軽空母だから日本のがマシ?
いや、レキシントンは撃沈したが、ヨークタウンは撃沈ではない。この大本営の嘘の発表が大変な間違いの元になった。
ヨークタウンの状態が次のミッドウェー海戦に大きく関わってくる。
ヨークタウンも本当に撃沈してればミッドウェー海戦の飛龍だけはなんとか守れ、名将山口多聞も生きて後の海戦を、少しはマシな采配に導いたことを思うと


引き分け


なんて、ものじゃない。


日本の敗北の元凶になったのだ。


日本の国力はアメリカの10数分の1なのは既に分かっていたのだから、最初にバッチリ決めて早期講話しないと、後の戦争が続けば続く程

負け

になるのは分かりますよね。


しかし


真珠湾奇襲攻撃(1941年、昭和16年12月8日) 勝ち
マレー沖海戦(12月10日) 勝ち
ウェーク島攻略戦(12月11日) 勝ち
ジャワ沖海戦(1942年、昭和17年2月4日) 勝ち
バリ島沖海戦(2月19日) 勝ち
スラバヤ沖海戦(2月27日) 勝ち
バタビア沖海戦(3月1日) 勝ち
セイロン島沖海戦(4月5日~9日) 勝ち
珊瑚海海戦(5月4日~8日)-引き分け


ミッドウェー海戦(6月4日~7日) 大敗


ミッドウェー海戦迄の連戦連勝一引き分けを日本は楽勝楽勝と思い上がって気が緩んでたようでミッドウェー海戦の時は一般人でも風の噂で

「次はミッドウェーに攻めるんですってね。」

と、知っていたとか。
アメリカのAFの暗号解読以前の問題だな。

 


太平洋戦争を調べていると、日本の勝ち、引き分け、とか言っても、全て最後のトドメが押せてない。(インド洋は除く)
悲しいかな撤退作戦(キスカガダルカナル、フィリピンからの北号作戦)だけは上手く成功させている。

撤退だけが上手くいってもそれは勝敗には関係ないでしょ(泣)。

 

トドメが刺せないのは国力が無いから。早く終戦工作しなければならない合図。

 

日本がミッドウェー海戦で大敗し、敗北の決定打を受ける前の最後の海戦、珊瑚海海戦はMO機動部隊の第四艦隊、井上成美の配下の原忠一司令官の第五航空戦隊(瑞鶴、翔鶴)で戦った。


第四艦隊に第五航空戦隊


第一航空艦隊、第二航空戦隊の主力空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍の4隻ではない。


第五だけあり、第五航空戦隊は錬度不足の、まだ若輩者のパイロットばかりだった。


おかげで空母レキシントンは撃沈出来たが、若輩者のパイロットには空母と巡洋艦の区別が付かず、巡洋艦を空母と勘違いして攻撃したり無駄な動きが多かった。
よって空母ヨークタウンを中途半端に残すことにつながり、中破を大破と勘違いし報告、大破なら撃沈で良いだろ、とオカルト大本営発表のぬか喜びにつながった。
そして未熟なパイロット達は世界初の航空機同士の戦闘に戸惑い、航空機やパイロットの損失も甚大になった。
よってポートモレスビーに上陸する部隊の護衛を失い、ポートモレスビー占領には至らなかった。
日本人の人命軽視は絶好調だった初期から、そうだったようだ。この人命軽視もオカルト的だ。

 

主力の第一航空艦隊こと南雲機動部隊の赤城、蒼龍、飛龍(加賀は座礁し修理中)は1942年4月のインド洋でのセイロン沖海戦に勝利し、珊瑚海は第五航空戦隊だけでなんとかなるだろ、と参加しなかった。

ちなみにセイロン沖海戦はイギリス空母ハーミーズを撃沈し、イギリス東洋艦隊を南アフリカに追いやることに成功。
ならばインド洋、空いたんだから、エジプトのスエズ運河を抑えて、とっとと停戦調停しろや。


ナゼか以後、日本海軍はインド洋では海戦をしていない。


日本は第二段作戦として米豪遮断作戦、MO作戦を選択したから。


インド洋→スエズ運河で終わる気は無く、真珠湾奇襲攻撃の余波、太平洋を主力でやる気満々だったのだ。
この強気も神がかり的なオカルトですかね(泣)。


だいたい初っぱなの真珠湾奇襲攻撃自体が、第三次攻撃を諦めた中途半端なものだから、ずるずるしたのだ。
しかも肝心のアメリカの空母はその時、居ないし(泣)(笑)。


次の珊瑚海海戦も南雲機動部隊も参加して万全だったら完全勝利だった?


珊瑚海海戦が万全の戦力だったらベテランパイロットでヨークタウンを逃がさず撃沈して祥鳳も無事で護衛が充分なら目的のポートモレスビーを占領出来たかも?
ヨークタウンはハワイで突貫工事をして即、生き返ったのだ。
撃沈してればミッドウェー海戦の惨敗も少しはマシだったかも知れない。
いや、真珠湾奇襲攻撃の時、ドッグも破壊していればヨークタウンの突貫工事は出来なかった。


だから、真珠湾奇襲攻撃の時、既に負けていたのだ。
この時に実は負けていることに気付いていれば、これ以上、太平洋に向かう無謀は避けていたはずだが、神がかり的なオカルト連中はそうは思わない。


真珠湾奇襲の中途半端(実は負け)が、珊瑚海海戦の中途半端(実は負け)が、後々の命取りにつながる。
国力が劣るなら、完全勝利の内に早期講話しなければならない。
国力が劣る側の攻撃が中途半端だった場合、国力がはるか上の敵の切り返しがあるのだから、敗戦なのだ。
しかし、神がかり的なオカルトは、それが分からず中途半端を勝利と過信し現実の国力以上に強いと信じた。


中途半端からガダルカナル島にわざわざ飛行場を造る労力、間抜けにアメリカに瞬殺で奪われて奪回する兵力の消耗、更にはポートモレスビーに拘る必要性にかられニューギニアマラリアや飢えに苦しみながら4100mの山越えを何度もさせ、補給の無いまま進軍させ、建設不可能な湿地帯に道路を建設させたり

 

地獄を絵に描いたような惨状につながった。

 

奇襲で勝ったと勘違いして単純に浮かれ、序盤の連勝に余裕ぶっこいて、スター艦隊を出し惜しんだが、アダ。


スター艦隊の空母赤城、加賀、蒼龍、そして飛龍は珊瑚海海戦の一ケ月後に全滅し、日本の敗戦は決定的となるのに。


神がかり的なオカルトになった日本は合理的なものの考え方が出来なくなったようだ。
オカルトゆえに人命軽視も甚だしい化け物のように無謀な破滅的な作戦を連発し
そして、第一次世界大戦で楽勝した以上のツケを払うことになった。